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世界から猫が消えたなら [読書]

『世界から猫が消えたなら』読みました。

映画化されるお話のようで、カバーが映画仕様でした。
一応あらすじは、死神との取引で世界から何か一つを消す代わりに主人公の寿命を一日延ばすお話。
モノをなくす前になくす物を使うことが出来るっていうのは面白い発想ですね。主人公が有効に使えたかは、読んでのお楽しみですが。
まぁ、ちょっとファンタジー系ですかね。
表紙の感じから、もっと元カノさんが活躍する話かなと思ってたんですが、意外と淡泊なつながりでした。それなりの心のつながりはあったんですが、自分が思ったほど主人公の残り寿命とは関わってこなかったかなと。
そのかわりといっては何なんですが、キャベツ(猫)くんと家族との比重が意外と大きかったですね。
ずっと前になくなった母親と疎遠になってしまった父親。それをつなぐレタス(猫)とキャベツ。
母親が亡くなる前の旅行のくだりは、若干過去を重ねてしまって、考えさせられました。
母親のためにやってるつもりがいつの間にか自分のやってあげていること自体が目的になって、自己満足に重なってしまっていたのでは無いかと。でも、それすらも見越して、もう一つ上から見つめていた母親のこと。
同じ事象ではなかったんですが、自分の母親の場合の余命宣告から亡くなるまでの間がそんな感じだったのかなと。自分では気づかなかったけど、思いっきり視野狭窄してましたね。
まぁ、自分のことはさておき、きゃべつくんを消せなかったのはわかります。こと自分の寿命じゃ無理ですね。重なる思いが大きすぎて。でも、これが、母親だったり父親だったらどうだったのでしょう?彼女だったら?
自分のことってあきらめつきますけど、他人になると途端に判断が難しくなるんですよね。まぁ、自分なら猫を消したんでしょうけど。
そして最後に、猫をのせて自転車で走るところで終わるんですが、最後の時間を思い残すことなく過ごすことが出来たんでしょうか。出来たとは思いますが、父親のことを考えると、ちょっと憂鬱ですね。
死ぬ方はまぁ満足でしょうが、また、失うことになる父親はどう思うんでしょうか。和解の後の消失ですから。

死神は現れないとしても、癌などだと、今はかなり正確にカウントダウンが出来ます。
残された時間が明確にわかったときに、何が出来るか、何をしたいか。
たいてい2度のチャンスってないんですが、そのときに後悔しない選択をしたいなぁと思ったりでした。

以上です。


世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

  • 作者: 川村 元気
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/09/18
  • メディア: 文庫



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