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新世界より [読書]

『新世界より』読みました。

近未来に「呪力」を得た人間が普通になっている世界のお話。
アニメ化、漫画化されているようですが、とりあえず原作の小説から読んでみました。
文庫だったのですが、上中下とあって、結構なボリュームでしたが、上巻の後半くらいからいきなり読む速度が上がるお話ですね。誰かのレビューにも同じようなことが書いてありましたが、本当でした。

お話は、呪力と呼ばれる超能力を持った人だけが存在を認められる世界で、落ちこぼれたり道を外れると存在そのものがなかったことにされてしまう世界。そんな世界で、バケネズミと呼ばれる亜人と人間との微妙な力関係があることから崩れてしまい・・・というような感じ。
で、人間中心の話が主体なのかと思いきや、ほとんどがバケネズミに関するお話でした。話の終盤にその意味もわかってはくるんですが、かなりバケネズミ中心のお話なので、間違った認識で読み始めた自分は肩すかしを食らった感じでした。
バケネズミとはいっても、二足歩行で話をすることも出来ます。要するに、奴隷時代の白人と黒人の様な関係でしょうか。違うモノだという大前提があって、けして一緒のものではないと。ただし、奴隷と違って、もっと悪いことにいろいろと遺伝子とかなんやかやと仕組まれてたりはするんですが。
『3×3EYES』や『風の谷のナウシカ』に似た感じでしょうか?要するに、力を持たない大多数は、かつて力を持っていた種族の末裔だったという。

でも、「愧死機構」っていうのがなかなかに恐ろしい遺伝子操作ですね。同族を殺すと自分も死ぬという。ある意味究極の殺人防止システムなんでしょうが、それの抜け道というか代償というかで殺せるためのバケネズミというね。その考え方が非常に恐ろしいですね。最後はそれを逆手にとられて、人間側が狩られるわけですが、相手を倒す切り札もそれだったりするわけです。

でも、人間に比べてバケネズミは素直でしたね。割り切りというか、行動原理が率直でしたね。自分の脅威になるからそれを駆逐する。はっきりとそう言い切れるところは木訥さのなせる技なのかな?さらに進化すると、人間の様に何かきれい事のいいわけをつけて残虐行為をするようになるのかな?自分たちすらだましながら。まぁ、進化の過程をたどれば、知能レベルからして、同じ道をたどるんでしょうね。さらにしたのバケ×××とかを作ったりして・・・。

幼年期から青年期、大人になってからと結構時間が進みますが、真理亜と守がどのような道をたどったのかが若干気になります。すぐ捕まって、子供産むまで監禁され、殺されたとかなんでしょうかね?話からすると、生まれてすぐからの洗脳教育が始まったっぽいんで、おそらくすぐに捕まっちゃったんでしょうね。

最後にこの話は、現実世界の揶揄なんでしょうね。自分を立てるためにさらに下の身分を作るという・・・。

漫画版も買ってみたんですが、実はほとんど読んでません。
結構話の展開が違くて、小説を読んだ後では違和感いっぱいになってしまうので。
まぁ、エロいと評判だったんで買ってみたってのが真相なんで、小説版の内容が薄れた頃にでも、ひもといてみようかと思っています。

あ、そういえば、この小説を読むときは、ドヴォルザークの『新世界より』から『家路』を聴きながらがいいのかな?コレを聴くと何か夕方で家に帰らなきゃって思っちゃいますよね。もう、あのときの家はないのに・・・。

とりあえずで。




新世界より(上) (講談社文庫)

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  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



新世界より(中) (講談社文庫)

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  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



新世界より(下) (講談社文庫)

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  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



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