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女王はかえらない [読書]

『女王はかえらない』 読みました。(2016/11/29読了)





小学生のクラス女王をめぐる戦いの話。なんですが、自分が感じたこの話のメインテーマは「入れ替わり」でしょうか。
以下、ネタバレなんで、内容を読んでから見てほしいんですが、
最初は小学校4年生のあるクラスの女王抗争での女王「入れ替わり」と夏祭りの事件。
次は若干の違和感とともに始まるその続き。
と思いきや、子供達の名前があだ名から本名にかわっていて、へぇーこんな名前なんだと思ったのもつかのま、同窓会の場面で時代が「入れ替わって」いることを知らされます。まぁ、女王のひとりだったマキの性格が変わっていたので、おかしいとは思ったんですが。
あと、いらいらしていた担任の主観で物語がはじまるので、「こいつが一番だめだ」と思ったのもつかの間、これ、実は成長した主人公だったり。
で、小学校時代のあだ名も実は名前部分のあだ名では無くてすべて名字の部分を元にしているという、あだ名の元字の「入れ替わり」が明かされ、最大の「入れ替わり」である、主人公と幼なじみの性別が実は反対だったということがしらされて、えぇーーってなります。
作者の思うつぼでした。メグちゃん結構かわいいと思ったんですが、そっちでしたか。

で、ここまでは「入れ替わり」で驚くんですが、最後の真相が結構怖いです。

小学校時代の最後の事件で復讐を誓った「マキ」が現代に出てこない。なぜか?
クライマックスの小学校時代の夏祭りの事件場面が回想されます。

マキがいる限り大事な人を守れないと感じ、学級歌を唄いながら石を手にする主人公。で、ひとりまたひとりと学級歌が重なってゆく。みな石を手にしながら。そして、マキを取り囲み、
「ゴー」
「ゴー」
と・・・。
怖いです。
小学校4年生がクラスメイト輪になって囲み、順番に殴打していく。
その後がまた、背筋が寒くなる。そう、証拠隠滅と責任回避の防止をはかるんですね。クラスはみな共犯だと。さらに、主人公が教師になったのも、隠蔽した事実を見守り続けるため。
おまけとして、街の浮浪者も「入れ替わって」いたりしますが、こちらはちょっともの悲しいです。
まぁ、ありがちといえばありがちなんですが、「入れ替わり」の要素が徹底していたおかげで結構スパイスになって、緊張感がありました。

でわ、僕が他の誰かと入れ替わってないと信じて。


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