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優しい死神の飼い方 [読書]

『優しい死神の飼い方』読みました。

ちょいファンタジーなお話。

死神さんが犬のなかに入り、死にゆく人たちが「地縛霊」にならないように、この世の未練を解消する手助けをしてゆくお話。
夢の中に登場するくだりがちと強引だったような気もしますが、各話楽しく読めました。降り立ったホスピスにまつわる人々のお話で、全てが何かしらのつながりを持っています。
でも、菜穂ちゃんもとは残念です。この話に生死の奇跡は起きないので、死神が感じた死は確実に訪れます。でも、各人、きっと思いを残すことはなく、あの世に旅立てたのではないかと思います。

各お話はおおざっぱにいうとこんな感じ。

1つ目は戦時中駆け落ちしようとするお嬢さんと書生の話。
2つ目は宝石泥棒と殺人の話。
3つ目は売れない画家と消えた絵のお話。
4つ目はすべてを解決に導くお話

ただ、若干、登場人物が鈍すぎないかと思う場面が多かったのも事実。

一番最初の老人も今までのつながりをみれば、お嬢さんが何を大切にしていたかは明白と思うんですがね。上っ面のつきあいではなかっただけに。ただ、自分の生まれの劣等感がその思考の邪魔をしたんでしょうか。

三番目の画家の青年も自分の絵をわかってくれた人をもう少し信じてあげてもいいかなと思いましたがね。目で見える上っ面を信じすぎなのでは無いかと。もう少し、見えない希望を信じてもいいのかなと思ったり。
菜穂ちゃんに関しては、まぁ、よかったかなと。

でも、死神も犬に入ると犬っぽい習性には抗えないんだなぁと笑いと共に納得しました。

続編もあるみたいなので、文庫になるのを楽しみに待ってます。

でわ。


優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

  • 作者: 知念 実希人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/05/12
  • メディア: 文庫



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