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コーヒーが冷めないうちに [読書]

『コーヒーが冷めないうちに』読みました。

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

  • 作者: 川口俊和
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2015/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


過去に戻れる喫茶店のはなし。
基本的に登場人物が固定なので、広がりには乏しいんですが、それぞれにいい話です。
4章構成で、お話自体はほぼ独立しています。
プロローグに副題が書いてあるので、その通りですが、一応。

『恋人』結婚を考えていた彼氏と別れた女の話、
『夫婦』記憶が消えていく男と看護師の話、
『姉妹』家でした姉とよく食べる妹の話、
『親子』この喫茶店で働く妊婦の話

後の方になるほど話的には重くなります。ってか、最初の話以外は重いです。
変えられない結末のあとに戻る過去は、結構つらいなと思わされます。もどかしさというか、なんというか、やるせない気分っていうんでしょうかね。最初の話だけが、まぁいいはなしで、それ以降は結末がわかっているだけに、やるせなさがつのります。忘れられてしまう記憶、失ってしまう妹、会えない母親。過去に戻った人は自分の中に新たなモノを得ているので、まぁ、いいっちゃあいいんでしょうが、読んでる方としては切ないですね。特に交通事故で妹を亡くす女性の話は、もう、なんとも。逝ってしまった妹に会うけれど、必ずその後に事故にあう。病気とかならまだあきらめもつきそうですが、事故とかだとなんとか避けられないかと右往左往してしまいそう。
もし、そんな喫茶店があって、過去に会いたい人とその店を訪れていたら、自分は戻るんでしょうか。きっと、勇気が無いので戻らないと思います。辛い思いをもう一度繰り返したくないから・・・。とんだ臆病者の自分が恥ずかしい限りです。

あ、あと、ずっと席に座っている幽霊の女性の話も読んでみたい気がします。

では、コーヒーを飲み干してから、また。

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