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エクサスケールの少女 [読書]

『エクサスケールの少女』 読みました。(2016/12/21読了)


エクサスケールの少女 (文芸書)

エクサスケールの少女 (文芸書)

  • 作者: さかき漣
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/11/26
  • メディア: 単行本



女手一つの貧しい環境で育った兄妹が母親の失踪を期に金持ちに引き取られ、妹の体を治すべく、兄が医師、工学者になって、研究を進めていくお話。
で、この妹が5歳の状態から成長しません。記憶は残るが成長しないって設定はかなり無理があるような気がしますが、とにかく5歳児の行動のまま30を過ぎます。リアルサザエさんかな?で、兄は兄で、言っていることが本当であれば、超天才です。最後に切れてマッドサイエンティストと化しますが。で、お兄ちゃんのAI研究話でメインが進むんですが、実は、妹と兄の恋人は同じ歳を取らないどおしで、けがもすぐ治ってしまったりします。まぁ、結局妹はなくなるんですがね。
で、このはなし、内容よりも、知識紹介がメインとなります。三分の一位は豆知識みたいな感じですかね。おかげで、内容が若干薄くなっちゃったかなと。豆知識は欄外参照程度にしておいた方が、良かったのかもと。
で、この話で、一番怖かったのは、無邪気な妹の最期の一言。

「ぜんぶしってるのになあ」

5歳児のまま成長せず、いつも無垢な感じだったのに、最期の一言はドライに大人で、子供の外見の中で冷静に現実を見つめていた大人な妹を垣間見た感じで、何か冷たいモノが・・・。
まぁ、内容はあまりこころに残らなかったので、何かを調べるきっかけがほしいなら、ネタは山盛りです。

では。
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放課後地球防衛軍1 なぞの転校生 [読書]

『放課後地球防衛軍1 なぞの転校生』 読みました。(2016/12/13読了)


放課後地球防衛軍(1)なぞの転校生 (ハヤカワ文庫JA)

放課後地球防衛軍(1)なぞの転校生 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 笹本祐一
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/11/22
  • メディア: 文庫



片田舎の高校の天文学部に入部してきた転校生の少女。でも、何かおかしい。探ってみると・・・。
という、田舎の町が実は対宇宙の最前線みたいなお話。美少女だけど、おおぼけかましているクローン転校生とか、激しい性格の天文学部顧問の先生とか、鋭い突っ込み役のハーフ女の子とか、いろいろいるんですが、天文学部の男の子達がいい味だしてます。なんともいえずマイペース。ほのぼのとしていて、でも、違和感が無いって言うか、ゆっくりとした時間がここでは流れているんだろうなと。
この巻では、この町に防衛軍があることがばれますが、これからいろいろありそうで、楽しみです。アニメ化もまぁ、2,3年内にあるんでしょうね。(漫画化が先かな?)
お気楽ライトノベルの次巻がはやく出版されることを待ってます。

では、また。

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パンドラの少女 [読書]

『パンドラの少女』 読みました。(2016/12/3読了)


パンドラの少女〈上〉 (創元推理文庫)

パンドラの少女〈上〉 (創元推理文庫)

  • 作者: M・R・ケアリー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



パンドラの少女〈下〉 (創元推理文庫)

パンドラの少女〈下〉 (創元推理文庫)

  • 作者: M・R・ケアリー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/05/21
  • メディア: 文庫



映画化もされる、イギリスのゾンビ話。
知性を持った子供の「飢えた奴ら」を中心にすすむ、施設生活と逃避行劇。
人間の臭いを関知しなければ、人間以上に知識的な行動をできる子供の「飢えた奴ら」を組織的に管理研究する軍の施設で飛び抜けて優秀な能力をもつ主人公のメラニー。彼らに教育を施す研究者たちと管理する軍人。
まぁ、一般的なゾンビものにありがちな襲撃と逃走ですね。「軍」、「襲撃」、「逃避」はもはやゾンビモノのお約束なんでしょうか。人間を襲うのを恐れるゾンビってのもちょっと新鮮でした。
で、この物語で新しかった点は、2つ。
1つは、ゾンビ化の原因がキノコであること。冬虫夏草のような神経支配型のキノコ類が繁殖のために人間を操っていると。だから、「飢えた奴ら」が人間や動物を襲う理由なんだと。いささか強引だとしても、なぜ共食いするのかの理由としては、結構納得しました。お腹すいたぐらいじゃ共食いしませんもんね。ふつう。
で、2つめはクライマックス。メラニーちゃんは現状では血液などからしか感染しなかった菌を、わざわざ活性化して世界にばらまかせます。理由は、彼らが生き残るため。そう、彼らとは知性を持った「飢えた奴ら」のこと。彼らは、研究者によると感染後の子供なのでは無いかと。飢えた奴らでもなく、人間でもない、その中間種である自分たちが生き残るため。
最後に残された研究者の気持ちはどうなんでしょうね。彼女は擁護派ではありましたけど、ひとり残され、新しい人類である彼らに教育を施し続ける。
ホラーモノらしくダークな終わりでしたね。

では、感染しないことを祈って。

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女王はかえらない [読書]

『女王はかえらない』 読みました。(2016/11/29読了)





小学生のクラス女王をめぐる戦いの話。なんですが、自分が感じたこの話のメインテーマは「入れ替わり」でしょうか。
以下、ネタバレなんで、内容を読んでから見てほしいんですが、
最初は小学校4年生のあるクラスの女王抗争での女王「入れ替わり」と夏祭りの事件。
次は若干の違和感とともに始まるその続き。
と思いきや、子供達の名前があだ名から本名にかわっていて、へぇーこんな名前なんだと思ったのもつかのま、同窓会の場面で時代が「入れ替わって」いることを知らされます。まぁ、女王のひとりだったマキの性格が変わっていたので、おかしいとは思ったんですが。
あと、いらいらしていた担任の主観で物語がはじまるので、「こいつが一番だめだ」と思ったのもつかの間、これ、実は成長した主人公だったり。
で、小学校時代のあだ名も実は名前部分のあだ名では無くてすべて名字の部分を元にしているという、あだ名の元字の「入れ替わり」が明かされ、最大の「入れ替わり」である、主人公と幼なじみの性別が実は反対だったということがしらされて、えぇーーってなります。
作者の思うつぼでした。メグちゃん結構かわいいと思ったんですが、そっちでしたか。

で、ここまでは「入れ替わり」で驚くんですが、最後の真相が結構怖いです。

小学校時代の最後の事件で復讐を誓った「マキ」が現代に出てこない。なぜか?
クライマックスの小学校時代の夏祭りの事件場面が回想されます。

マキがいる限り大事な人を守れないと感じ、学級歌を唄いながら石を手にする主人公。で、ひとりまたひとりと学級歌が重なってゆく。みな石を手にしながら。そして、マキを取り囲み、
「ゴー」
「ゴー」
と・・・。
怖いです。
小学校4年生がクラスメイト輪になって囲み、順番に殴打していく。
その後がまた、背筋が寒くなる。そう、証拠隠滅と責任回避の防止をはかるんですね。クラスはみな共犯だと。さらに、主人公が教師になったのも、隠蔽した事実を見守り続けるため。
おまけとして、街の浮浪者も「入れ替わって」いたりしますが、こちらはちょっともの悲しいです。
まぁ、ありがちといえばありがちなんですが、「入れ替わり」の要素が徹底していたおかげで結構スパイスになって、緊張感がありました。

でわ、僕が他の誰かと入れ替わってないと信じて。


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虹の家のアリス [読書]

『虹の家のアリス』 読みました。(2016/11/26読了)


新装版 虹の家のアリス (文春文庫)

新装版 虹の家のアリス (文春文庫)

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 文庫



前作『螺旋階段のアリス』の続きで、今度は主人公の娘と息子が前面に出てきます。安梨沙ちゃん(さん?)は前作の最後と同様主人公の娘の家に滞在していたりします。小悪魔要素を発揮したりもします。主人公の息子、娘、安梨沙の恋話というかそんな感じのお話がメインでしょうか。主人公の探偵っぷりも結構板についてきています。
でも、印象に残ったのは、主人公と奥方の仲の良さでしょうか。もう一つ別の夫婦のちょっと切ない話もあるんですが、両方ともうらやましい限りでしたね。

では、うさぎを追った先で。

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螺旋階段のアリス [読書]

『螺旋階段のアリス』 読みました。(2016/11/21読了)


新装版 螺旋階段のアリス (文春文庫)

新装版 螺旋階段のアリス (文春文庫)

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/09/02
  • メディア: 文庫



脱サラして私立探偵を始めた壮年男と猫を抱いて現れた女性の探偵物語。
タイトルの印象通り『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の要素をあちこちにちりばめてあります。
探偵家業の依頼については、たわいのないものばかりで、ライトな感じです。全体的に登場人物はお金持ちばかりっぽいのも印象的と言えば印象的。まぁ、主人公は年ですし、ヒロインとの間に恋愛的な要素は皆無です。奥さんと仲いいですし。

続刊につづく

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失われた過去と未来の犯罪 [読書]

『失われた過去と未来の犯罪』読みました。(2016/10/31読了)


失われた過去と未来の犯罪

失われた過去と未来の犯罪

  • 作者: 小林 泰三
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/06/02
  • メディア: 単行本



突如として短期記憶しか持てなくなった人類が長期記憶を外部装置にゆだねてしまった世界のいろいろな問題。最近よく見る『記憶』=『人格』のお話ですね。外部装置の長期記憶を取り替えると人格まで入れ替わってしまうと。
最初の事件は、未来のお話を書きたいがための設定だと話半ばで気づきます。入れ替わったときに肉体に残る記憶をうまい具合に消すのが最初の事件なんだと。なので、記憶と人格がとかはどうでも良くて、肉体と意志・記憶が取り替え可能な未来のあれこれのお話なんですね。
まぁ結局個人のエゴでいろいろと事件が起こるのはご想像の通りです。
記憶と人格・・・これをひもとける未来は来るんでしょうか?

では、いまの記憶と人格があるうちに・・・。


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スープの国のお姫様 [読書]

『スープの国のお姫様』読みました。(2016/10/29読了)


スープの国のお姫様 (小学館文庫)

スープの国のお姫様 (小学館文庫)

  • 作者: 樋口 直哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/03/07
  • メディア: 文庫



失業中のコックさんが、あるお屋敷の専属コックとなり、日々女主人のためにスープをつくる。その傍らでいろいろなお客さんの求めているスープを謎を解きながら探っていく。で、主人公自体も幼い頃に食べたスープを探し求めていて、その屋敷のお嬢さんとそちらも探索していくって、書いていて自分ってあらすじ書くの下手だなとつくづく思ったり。
で、いろいろなお客さんは、

若いときに亡くなった奥さんと食べたスープを探す老人、
過去の音楽家の食べたスープを求める執事さんの元奥さん、
偉大な画家のスープと息子と行き違う作家、
偽物のスープと女主人の妹、
そして、母親に作ってもらった幻のスープを求める主人公

と行ったところでしょうか。
展開は、スープのお題が出され、主人公が一度失敗し、お嬢さんが博識っぷりでサポートしつつ主人公が気づいてリベンジ的な感じで。
最終的に、主人公とこのお屋敷のつながりはある人に仕組まれていたわけですが、さっぱりしたスープのように、すんなり受け入れられる程度の策略ですね。
まぁ、最初からちょっと上にいる感じの登場人物と言えば登場人物ですが。なぞ的なモノはスープとともに溶けるので後味は悪くないです。

では、お好みのスープが見つかりますように。

P.S.あ、この記事でちょうど100だ!遅っ!これからもよろしく(*´∀`*)ノ
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羽衣幻視 [読書]

『羽衣幻視』読みました。(2016/10/27読了)


羽衣幻視 (朝日エアロ文庫)

羽衣幻視 (朝日エアロ文庫)

  • 作者: 星野亮
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2015/06/19
  • メディア: 文庫



人工知能が社会インフラの隅々までを支配している世界で、暴走を始める人工知能。それにあらがう4姉妹。
だけどこの姉妹は実は人形です。
見た目だけですけど。
題名の羽衣と唱えると4姉妹はそれぞれ象徴があって、変身したりします。で、主人公を助けたりします。が、この主人公もわけありだったり。でも、今ひとつ煮え切らないまま物語は終わっちゃいます。伏線が回収し切れてないのか、続きがあるのか?生も死も生物も無機物も曖昧な世界で、是非決着のつく話を続けてほしいかな?

今ひとつ感想も支離滅裂ですが、お許しくださいね。
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ニルヤの島 [読書]

『ニルヤの島』読みました。(2016/10/24読了)


ニルヤの島 (ハヤカワ文庫JA)

ニルヤの島 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 柴田勝家
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/08/24
  • メディア: 文庫



記憶を完全に再生できる未来で、死後の世界について追い求める人たちの物語。
物語はいくつかの主観で進んでいきます。学者であったり、大学教授であったり、現地の少女であったり、日本の血の入った現地の若者であったり。最後にそれらの物語がひとつに結ばれていきます。
で、内容がやたらと難しいです。特におそらく主人公である学者さんの物語が最初何を言ってるかまるでわかりませんでしたが、不思議と読むのをやめられない感じでした。何ででしょうかね?ぐるぐると繰り返すような物語があちこちで続いていくんですが、微妙に違っている。で、君の名は。みたいな感じの種明かしも。
でも、記憶を再生出来るだけで精神世界の死後の世界を消し込めるモノなんでしょうか?意志と記憶の分離はこういったSFものの課題に思えますね。最近は記憶=人格みたいな物語が多い気もしますが、自分としては何か違う感じもするんですよね。完全な記憶があっても人格は成立しないとなんとなく思うんですが、どうなんでしょう?

では、忘れられない記憶になることを祈って。

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