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ニルヤの島 [読書]

『ニルヤの島』読みました。(2016/10/24読了)


ニルヤの島 (ハヤカワ文庫JA)

ニルヤの島 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 柴田勝家
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/08/24
  • メディア: 文庫



記憶を完全に再生できる未来で、死後の世界について追い求める人たちの物語。
物語はいくつかの主観で進んでいきます。学者であったり、大学教授であったり、現地の少女であったり、日本の血の入った現地の若者であったり。最後にそれらの物語がひとつに結ばれていきます。
で、内容がやたらと難しいです。特におそらく主人公である学者さんの物語が最初何を言ってるかまるでわかりませんでしたが、不思議と読むのをやめられない感じでした。何ででしょうかね?ぐるぐると繰り返すような物語があちこちで続いていくんですが、微妙に違っている。で、君の名は。みたいな感じの種明かしも。
でも、記憶を再生出来るだけで精神世界の死後の世界を消し込めるモノなんでしょうか?意志と記憶の分離はこういったSFものの課題に思えますね。最近は記憶=人格みたいな物語が多い気もしますが、自分としては何か違う感じもするんですよね。完全な記憶があっても人格は成立しないとなんとなく思うんですが、どうなんでしょう?

では、忘れられない記憶になることを祈って。

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死と呪いの島で、僕らは [読書]

『死と呪いの島で、僕らは』読みました。(2016/10/17読了)


死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

  • 作者: 雪富 千晶紀
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/09/22
  • メディア: 文庫



伊豆諸島のとある島で繰り広げられる殺人事件の数々。
ヒロインは巫女さんですが、何かの予兆を死体から聞き取れる以外は特に何もありません。主人公君は町長の息子で、一応彼を中心に物語は進むんですが、彼が活躍する場面はあまりありません。数々の伝承を元に、あちこちから災いが島にやってきます。が、やってくるまではつながっているんですが、それ以外については、特に関連性はありません。一番最初の『顔取り』の話はもっと盛り上がるかと思ったのですが、なぁなぁで他の話に飲み込まれてしまったり。大金持ちの食人ヨットツアーもさっさと通り過ぎますし、新婚の新婦殺人事件も意外とあっさりと終わったりします。(まぁサメになったりはしますが)
感想ですが、あまりにいっぱい詰め込みすぎて、一つ一つの要素が薄くなってしまったのかなと。神道あり、仏教あり、ブードゥー教ありと何でもありな世界です。
一番期待を持たせてくれたのは主人公の親友の徹くんですが、呪われて死んじゃいます。最後の方でヒロインがブードゥー教の呪いの赤ん坊の霊に連れていかれたりするんですが、それを救うのが、なぜか最後にいきなり出てきた坊さんで、俺がヒロインをこの島に呼んだとかいって、地球の裏側の敵と戦って、勝手に死にます。
あれ?主人公は?とおもったら、島で魚肉ゾンビ(賞味期限30分。えら呼吸)と延々と戦ってます。最後の方の魚肉ゾンビが大量発生くらいから、気が抜けました。てんでばらばらに物語が進むんで、伏線回収はありません。島の事件の黒幕(徹を呪い殺し、顔取りの仕掛け人)も正体がばれた途端にいなくなります。うーん、それぞれの伝承をもっと掘り下げて、1冊ずつにした方が面白かったんじゃないのかなと素人ながら考えたりします。
まぁ、魚肉ゾンビだけが、最大の笑いポイントではあるんですが。

また、次回に。
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虹を待つ彼女 [読書]

『虹を待つ彼女』読みました。(2016/10/12読了)


虹を待つ彼女

虹を待つ彼女

  • 作者: 逸木 裕
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/09/30
  • メディア: 単行本



天才肌の女性プログラマがゲームを装った現実で自殺するところから物語は始まる。
その死んだ女性の人口知能(AI)を作ろうとするこれまた天才肌の男の話。
最初こそ斬新だったんですが、読み進めると、結構凡庸になっていったりします。死んだ『晴』と謎の人物『雨』をめぐって物語は進むんですが、結局物言わぬ『晴』の探求物語かなと。
読む前は、人工知能になった『晴』が何かやらかすかと思ったんですが、特になにも起きなかったですね。『晴』と『雨』が同性愛者だったってことくらいがまぁ驚きだったのかと。

最近、ゲームばっかりしていて、読書をあんまりしてません。
ここの更新も全然してませんでした。
書き溜めた感想も20以上あるので、少しずつ公開していこうかなと。

でわ。
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和菓子のアン と、新年のあいさつ [読書]

新年明けましておめでとうございます。(だいぶ遅いですが)
昨年は、101冊の本を読むことが出来ました。
今年も面白い本に出会えることを心から楽しみにしています。
また、新しいジャンルの開拓にも挑戦したいと思っています。
今年も宜しくお願いいたします。(_ _)

では、

『和菓子のアン』読みました。(2016/10/3読了)

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/10/11
  • メディア: 文庫


ちょっとふくよかな18歳の女の子がデパ地下の和菓子店で働きながら、店長のプチ推理と、主人公のプチ推理がちょこちょこと繰り広げられるお話。
賭け事で性格の変わる女店長(でも、頭は相当切れる)、和菓子に造形の深い和菓子職人修行中の男性(でも、乙女系)、元ヤンキーのアルバイト店員など、個性派揃いです。
推理って程の推理ではないのですが、バックヤードで店員同士が話す内容としては面白いんじゃないかなと思います。あと、主人公の自己突っ込みが面白いです。そして、一番大事なところは、非常に和菓子が食べたくなります。自分は、きんつばが好きなのですが、本当に食べたくなりました。
(その後、去年末に大量に通販できんつば買って食べました。)
続刊もあるようなので、文庫本化を待ちます。
乙女男子と主人公は恋仲になるのかな?

では、おいしい和菓子とともに。
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世界が 記憶で あふれる前に [読書]

『世界が 記憶で あふれる前に』読みました。(2016/9/27読了)

世界が記憶であふれる前に

世界が記憶であふれる前に

  • 作者: 岡本 貴也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/30
  • メディア: 単行本


また、表紙絵がloundrawさんの本を買っちゃいました。
記憶が消えずに現実とわからないくらいのリアリティでフィードバックしちゃう女性と女にだまされ借金しょって、返済のために金を借りまくったら、あっさりこの女性にお金を巻き上げられちゃった青年のお話。
ヒロインははなから犯罪者です。部屋は真っ黒。食べるものはすべて同じものだけ。その理由は「記憶を増やさないため」。
カジノでの当選率の話はなかなか興味深かったです。有り金全部巻き上げられちゃいますけどね。
全体としては、微妙に切ない話ですね。ひとは適度に忘れるから生きていけると改めて思いますね。
最後は純愛モノっぽくなりますが、主人公とヒロインの幸せを祈るばかりです。

では、忘れない明日で。

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ずうのめ人形 [読書]

『ずうのめ人形』読みました。(2016/9/25読了)

ずうのめ人形

ずうのめ人形

  • 作者: 澤村伊智
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/07/28
  • メディア: 単行本


ホラーです。まんま『リング』っぽいですが、まぁ、『リング』ですね。作中でもその話題はかなりでてきますし。
顔に赤い糸を巻いた喪服の人形が徐々に近づいてくるのは鳥肌モノです。でも、とどめは違うというサプライズ。物語は、ホラー作家が異常死したときに持っていた原稿を読み進めるのと同時に現実世界も進みます。最後に元凶に迫る編集者のところが面白かったです。文章の構成の仕方を指摘してっていうのが、とても新鮮で、へぇってなりました。読み終わった後に、編集者が指摘したところを何度も読み直したりしてしまいました。オリジナリティは薄いですが、純粋に面白かったです。都市伝説のもりあわせかな?都市伝説は大好きなので、この作品もすきなのかもしれません。
あと、この作者さんは主観の切り替えによる謎解きが面白いですね。一人称で語るときは素通りした事実も、他人の主観から見ると・・・みたいなところがいいです。嘘を言っているわけではないけれど、とらえ方は変わるってところでしょうか。
最近1作目の『ぼぎわんが来る』も読んだので、追って感想を書きますが、書くまでは結構かかりそうです。

では、くふふふふふふ。

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時をかける少女 [読書]

『時をかける少女』読みました。(2016/9/24読了)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫


定番ものですね。
昔の原田知世主演の角川映画を思い出します。あ、見たことはないですけど。お湯をかける少女ってCMを工藤夕貴がやってたような。
それはさておき、内容は、まぁ、誰もが知ってるタイムリープものです。
何年か前のアニメはみたんですが、原作はもっと淡泊な短編なんですね。
未来人の男の子の年齢については、初めて知りました。そんな設定があったのかと。
ラベンダーの香り。忘れないでください。

では、いっけぇ~~~!
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九月の恋と出会うまで [読書]

『九月の恋と出会うまで』読みました。(2016/9/20読了)

九月の恋と出会うまで (双葉文庫)

九月の恋と出会うまで (双葉文庫)

  • 作者: 松尾 由美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: 文庫


部屋のエアコンの穴から聞こえる男の声で依頼される同じアパートに住む男の尾行。男はちょうど1年後の未来にいるという。主人公は男の言うとおりに隣人を尾行する。また、同時期から話しかけてくる熊のぬいぐるみ。割と陰惨なことを語るぬいぐるみは並列世界の記憶?ってなかんじで、タイムシフトと平行世界なおはなしです。
主人公の女性がどうも淡泊すぎて、もうちょっと感情がでてくればおもしろかったのかなとかおもったり。平行世界の記憶をもったクマのぬいぐるみ(厳密には記憶を持ってるわけではなくてスピーカーなんですが)が怖すぎです。
ネタバレすると、平行世界では彼女は強盗殺人の被害者だったりします。まぁ、その世界の直接の場面はないんですが。
まぁまぁ、最終的に容姿と内容が合致した彼ができて良かったなと。

では、また、壁の穴の向こう側で。
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あの日の花火を君ともう一度 [読書]

『あの日の花火を君ともう一度』読みました。(2016/9/17読了)

あの日の花火を君ともう一度 (双葉文庫)

あの日の花火を君ともう一度 (双葉文庫)

  • 作者: 麻沢 奏
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: 文庫


これは、『君の名は。』と非常に似たお話ですね。
ある日、日記の反対側に自分の知らない自分の日記が書かれているのを発見する。そこでは、違う彼と付き合っている自分がいる。日記を通して、お互いの状況を伝え合うのだが、自分の世界の恋人は交通事故で死んでしまう。その後、違う幼馴染と付き合うのだが、また日記帳に違う自分の日記を発見する。でも、それは、違う世界ではなく3年前の自分であることに気付く。過去の自分に事故のことを伝えて、死んでしまった彼を救うか。だが、彼を救えば、今の彼との関係はなかったことになってしまう。葛藤の末、主人公の選んだ選択は・・・。みたいな。
結論から言うと、主人公は過去の彼を救う道を選ぶのですが、貧乏くじを引くのは自分だけになるという結果に。過去の彼との関係は高校入学時に壊れ、過去の彼が死ななかった世界は新しい彼も違う恋人を作っている。
得る代わりに失うものは大きかったのか、小さかったのか。まぁ、命がかかってるんで、なんとも言えませんが、もし自分が同じ立場になったら、どうするんでしょうね。何もしなければ、彼は死にますが、過去といえば過去です。難しいですね。きっと、過去を変えない理由を探しそうな気がします。で、結局そのままと。大事なのは、できるかじゃなくて、今がする時かを判断できるかなんですよね。自分はその時を逃すでしょうね。

では、後悔しない明日で。

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はるひのの、はる [読書]

『はるひのの、はる』読みました。(2016/9/14読了)

はるひのの、はる (幻冬舎文庫)

はるひのの、はる (幻冬舎文庫)

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/04/12
  • メディア: 文庫


佐々良という田舎町でおこる不思議シリーズの3作目。
サヤさんの息子、ユウスケ君の成長とともに起こる不思議のオムニバス。っても、最後につながりますが。
前2作とは結構毛色が異なる作品だったりします。ある女の子の依頼で動くユウスケ君ですが、パラレルワールド要素ががんがん入ってきます。ほんの少しの不思議と言うより、不思議マターな感じで。
幽霊はユウスケ君経由で幽霊を見られない人とコンタクトがとれるようになるので、それを利用したお話が数点。
結局、女の子がある人を救うために未来を変えようとするお話だったりします。この気持ちはものすごくわかる気がします。
で、シリーズ最終巻なので、時代が一気に進み、ユウスケ君の結婚までいっちゃいます。
前作の照代さん、結婚して子供まで出来ちゃってるのは驚きでした。是非間の話も読んでみたいです。

では、明るい未来で。


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