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僕は明日、昨日のきみとデートする+君にさよならを言わない [読書]

七月隆文さんの2作品(書店に平置きしてあったので)を読みました。

まず、『僕は明日、昨日のきみとデートする』
映画化が決まった作品らしいですね。
時間が逆方向に流れているパラレル世界の恋人との文字通りすれ違いの恋のお話。
この「すれ違い」の感覚が今ひとつ頭で理解出来ませんでした。何を?と言われると、なぜ逆方向に時間が進んでいるのに、一日の中では同じ方向に時間が流れているのか?ってところです。何度考えてもしっくりこない感じ。ここがすんなり受け入れられるかで、この作品の評価が分かれるんじゃないかと思います。受け止められれば、やるせなさや切なさなんかが伝わってくるんでしょうが、失敗すると、疑問のみになっちゃいます。
初対面が一番最後の日で、最後の日が初対面。これはいいんですが、主人公はいいとして、ヒロインの方が違和感があるんですね。いくら未来の主人公から成り行きを聴いているとはいえ、主人公の最後の方の日程(ヒロインの初めての頃)での行動はちょっと無理があるかなと。命を助けてもらっているとはいえ、幼い頃に一度会ったきりの人とそこまでの関係になれるのかと。最初の頃と最後の頃で主人公とヒロインの感情が入れ替わっていく感があまり無いんですよね。ヒロイン計画的すぎ!って感じで。
もっと、初々しくなっていくヒロインが見たかったってだけなんですけどね。
時間ネタって、大好きなジャンルです。いろいろ批判めいたことを書きましたが、それだけ心に残った話でもあったわけですね。

次に『君にさよならを言わない』
ラノベでしたね。
文芸コーナーではなく、ラノベコーナーに置いた方が多分しっくりくる作品と思いました。
幽霊とコミュニケーションをとれる主人公が、幽霊の『未練』をはらす手伝いをしていく話ですね。
ただ、これも話そのものよりも気になった点が多かったかな?
まず、幽霊が全員少女の霊ということ。男の子の霊が1例くらいあっても良かったんじゃないかと思うんですがね。なぜ、女の子の霊ばかり見え、助けるのか。まぁ、男の子なのでわからなくはないですが、主人公の性格からして、男の子の霊でも十分面白い話になった気がします。
あと、主人公がヒーローすぎかなと。人物として、あまり近く感じられないのがちと残念。
最後に、コレが一番気になったんですが、「柚ちゃん必要?」ってことでしょうか。
お兄ちゃんラブの一つ年下の才色兼備の義理の妹と、見るからにわかりやすいアプローチにまるで鈍感な主人公っていう設定が、なんともいえずラノベだなと。それに柚ちゃん、ストーリーにほぼ関わってこないので、居なくても良かったんじゃないかなと思うわけです。多分、中学から出来た妹では妹感覚が薄いように思うんですけどね。まぁ、柚ちゃんかわいいので、許しますよ?当然。
あと、剣道少女は結局成仏は出来なかったんだなと。守護霊ってことらしいですが。それと、あの事件の他の犠牲者(例えばちょっと不良っぽい犯人を教えてくれた犠牲者の霊)は救わなくて良かったんでしょうか。犯人が逮捕されたことで成仏できたってことなのかな?気になりますね。
この話の続編ができるとすると、いよいよ義理の妹ラブな展開になるんでしょうかね。
なかなか突っ込みどころの多い作品ではあります。
ただ、ストーリーは面白かったですよ。念のため。

この辺で。



ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 文庫





君にさよならを言わない (宝島社文庫)

君にさよならを言わない (宝島社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/08/06
  • メディア: 文庫



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