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カササギの計略 [読書]

『カササギの計略』読みました。(2016/7/27読了)

カササギの計略 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

カササギの計略 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 才羽 楽
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/07/06
  • メディア: 文庫


不治の病のヒロインが死ぬ前に幼なじみにあって、自分のやりたいことをするはなし。
あらすじ的には。
実際は最後の数十ページでひっくり返ります。ネタバレ的には、ヒロインは主人公の思う彼女ではなかったりします。
話的には弟君が姉の無念を晴らし、姉を忘れてしまっていた主人公を罠にかけるんですが、読後に思うのは、この話で唯一救われないのはこの弟君ではなかったかと。
幼なじみの華子さんは、どうやら不治の病と言うより、弟君の運転する車の事故で亡くなってしまっているようで、でも、弟君にいろいろしてもらって、彼女的には満足だったんじゃないかと。
主人公と偽華子さんはだまされたり、だましたりして、傷付きはしましたが、結局最後に本当に好きな人を見つけて幸せになれそうな予感でした。
で、当の弟君ですが、自分の手で姉を死なせてしまった無念と忘れてしまっていた主人公をワナにははめますが、彼はきっと救われないんでしょうね。弟君が本当に救われるのは、多分姉が幼なじみ君にたどり着けなくても、弟君にいろいろつきあってもらって、おそらく後悔はそれほどせずに他界したことに気づくしかないんでしょうね。
華子さんは、弟君に最後までいろいろしてもらって、すごく幸せだったんじゃないかと思います。それに早く気づいてほしいものです。
で、しばらく時間がたってから、考えたんですが、弟君のこの計画って、本当に復讐だったんでしょうかね。弟君は自分が犠牲になって他の人を救った話に読めなくもないんですよね。
上にも書きましたが、姉の思い人は新しい恋人を得てますし、弟君の彼女は本当に愛してくれる相手を見つけてるわけです。
結局、「姉の思い」をどうとらえるかで、弟君の見方が変わるのかなと思った作品でした。

では、弟君の心が救われますように。

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